トップ 審査請求記録 裁判記録 上田 禎 寺西幸雄 橋本正彦
の事実誤認、偽証 の事実誤認 の事実誤認
街頭演説 1 街頭演説 2
PTA会長 上田禎 教育長・副区長 橋本正彦 教育長・副区長 橋本正彦  事務局次長 寺西幸雄
庶務課長 小林緑  教職員係長 赤塚裕

 Mail
関連するWebサイト
http://2018yodaikuo.com 板橋区立学校 教職員一覧表
http://touhaigou.2018yodaikuo.com 板橋区の学校統廃合

審査請求記録

目 次
1 本サイトで引用した証拠書証
 (1)甲2.板橋区学校運営連絡協議会設置要綱
 (2)甲3.板橋区学校運営連絡協議会実施要領
 (3)乙11.橋本正彦 陳述書
 (4)乙12.上田禎 陳述書
 

1 本サイトで引用した証拠書証

(1)甲2.板橋区学校運営連絡協議会設置要綱

〔甲2.板橋区学校運営連絡協議会設置要綱
  (目的)
  第1条  板橋区立小中学校長及び天津わかしお学校長(以下「校長」という。)の行う  
            学校運営に関して、地域、保護者などから幅広く意見を求め、地域との連携をよ
            り強化した特色ある学校づくりを行うために、各小中学校及び天津わかしお学校
            に学校運営連絡協議会(以下「協議会」という。)を設置する。
  (運営)
  第2条  協議会の開催は、年3回を原則とし校長が招集する。協議会の運営に関する事  
            務は、学校内に置いた事務局が行う。
  (内容)
  第3条  協議会は、原則として、以下の事項について協議する。
     (1) 学校運営に関すること
            ① 学習活動、学習指導など教育活動について
            ② 児童・生徒指導について
            ③ 学校、家庭、地域、関係諸機関との連携について
     (2) 学校公開に関すること
     (3) 地域コミュニティセンターとしての学校のあり方に関すること
  (構成員及び任期)
  第4条  協議会は、6名以下の委員で構成し、委員の選定については、以下に掲げる者
            から校長が推薦し教育委員会が委嘱するものとする。また、協議内容に応じて委
            員以外の関係者の出席を求めることができる。構成員の任期は、原則として1年
            とする。
     (1) 地域有識者
     (2) 保護者
     (3) その他校長が必要と認めた者
  (拡大協議会及び専門部会)
  第5条  協議会の目的を達成するため、協議会の補助機関として拡大協議会や専門部会
            を設置することができる。拡大協議会及び専門部会の構成員は第4条の規定に準
            ずる。
  (その他)
  第6条  この他、協議会に関し必要な事項は、校長が協議会に諮り定めることができる。
  (付則)
   この要綱は、平成12年4月1日より施行する。
  (付則)
   この一部改正は、平成17年4月1日より施行する。

(2)甲3.板橋区学校運営連絡協議会実施要領

〔甲3.板橋区学校運営連絡協議会実施要領
  1 目的
       「板橋区学校運営連絡協議会設置要綱」(以下「要綱」という。)に基づき、学校
      運営連絡協議会(以下「協議会」という。)の運営等を円滑に行うため、この実施要
      領を定める。
  2 運営方法
          校長は、以下の事項を参考に協議会を運営する。
      (1) 校長は、学校運営方針や教育計画等の報告を行い意見・助言を求めるとともに、
            その経過や結果について随時報告を行う。
      (2) 校長は、保護者や地域住民に対し、期間を定めて授業の公開など学校公開を行う。
      (3) 校長は、3の協議内容を参考に協議事項を提案し意見・協力を求める。そのため、
            協議会に対し常時教育活動等の公開を行う。
      (4) 校長は、保護者や地域住民に対し学校の教育活動や協議会の活動の経過や結果に
            ついて公開する。
      (5) 事務局は、校長が指名する学校の教職員をもって運営する。
  3 協議内容
          校長は、以下の事例等を参考に協議内容を定める。
      (1) 学校運営に関すること
          ① 学習活動、学習指導など教育活動について
            ア 学校の運営方針、児童生徒の指導方針に関すること
            イ 教員の教育指導に関すること
            ウ 各教科・道徳・特別活動等の教育活動の内容に関すること
            エ 教材・教具に関すること
            オ クラブ活動、部活動に関すること
            カ 児童・生徒数、学級編制の状況に関すること
            キ その他教育課程全般に関すること など
          ② 児童・生徒指導について
            ア 校内外の生活指導に関すること など
          ③ 学校、家庭、地域、関係諸機関との連携について
            ア 地域の人材・施設の活用に関すること
            イ 学校情報の公開に関すること
            ウ 地域行事と学校行事に関すること
            エ 地域の自然や文化財の教材として活用に関すること
            オ 地域における勤労生産的活動、奉仕的活動等の体験的学習、地域素材の
                教材化に関すること
            カ 地域や関係諸機関との連携による健全育成事業に関すること など
      (2) 学校公開に関すること
          ① 授業の公開に関すること など
      (3) 地域コミュニティセンターとしての学校のあり方に関すること
          ① 公開講座等への教員の講師派遣に関すること
          ② 地域住民による学校施設の活用に関すること
          ③ 地域住民の授業等の聴講に関すること
          ④ 地域の伝統芸能等の保存に関すること など
      (4) 学校評価に関すること
          ① 学校の自己評価に関すること
          ② 学校評価の結果を受けた改善方策に関すること
  4 構成員の推薦等
       構成員は、学校関係者やPTA関係者だけでなく、地域有識者や学校教育に関心の
      ある者など、できる限り広い範囲から推薦する。
  (参考例)
      (1) 地域有識者
          ア 町会・自治会、子供会、商工会、事業団体など地域団体の関係者
          イ 児童・生徒の健全育成についての関係者
          ウ 地域の行政機関の関係者
          エ 大学、私立学校等の学識経験者
          オ 学校医
          カ 同窓会の関係者 など
      (2) 保護者
           PTA会長等PTA役員など
      (3) その他校長が必要と認めた者
            退職校長、弁護士など
  5 拡大協議会及び専門部会
     校長は、必要に応じて以下の事項を参考に拡大協議会及び専門部会を設置・運営する。
      (1) 拡大協議会は、保護者や地域住民及び健全育成団体等との幅広い協議が必要と
            される場合に設置する。
      (2) 専門部会は、学校運営などの専門的事項について協議が必要とされる場合に設
            置する。
      (3) 運営及び協議内容については、前項までの規定に準ずる。
  (付則)
     この要領は、平成12年4月1日より施行する。
  (付則)
     この要領の一部改正は、平成17年4月1日より施行する。
  (付則)
     この要領の一部改正は、平成20年4月1日より施行する。
  (付則)
     この要領の一部改正は、平成24年4月1日より施行する。

(3)乙11.橋本正彦 陳述書

 橋本正彦は、東京都人事委員会、平成25年(不)第25号審査請求事件に、平成27年1月29日付け「陳述書」を提出した。
 橋本正彦は、平成24年12月1日から平成27年6月30日まで板橋区教育委員会教育長を務め、平成27年7月1日から令和元年6月30日(1期目)、令和元年7月1日~(2期目)、板橋区副区長を務めている。
 したがって、東京都人事委員会平成25年(不)第25号審査請求事件に「陳述書」を提出したとき、橋本正彦は板橋区教育委員会教育長であった。

乙第11号証 橋本正彦 陳述書
陳 述 書
平成27年1月29日
東京都人事委員会 殿
板橋区教育委員会   
教育長 橋 本 正 彦
 請求人依田郁夫及び処分者東京都教育委員会を当事者とする平成25
年(不)第25号審査請求事件について、下記のとおり、陳述致します。
第1 経緯について
     私は、昭和50年4月に板橋区職員として採用されました。平成7
    年4月から管理職となり、3つの部署で課長を経験した後、平成18
    年4月に産業経済部長、平成19年7月に政策経営部長、平成23年
    7月に危機管理室長を経て、板橋区職員歴37年8か月の経験を有し、
    平成24年12月に板橋区教育委員会教育長となり、現在に至ってい
    ます。
1頁
第2 板橋区教育委員会教育長として請求人とやり取りした内容につい
    
  1 請求人の自己申告ヒアリング時におけるやり取りの内容について
      私は、平成25年7月3日午前9時20分頃、人事考課制度におけ
    る請求人の自己申告のヒアリングを行いました。事務局次長、指導室
    長、教職員係長が同席していました。なお、自己申告のヒアリングと
    は、当該年度の校長の経営方針、目標を聞き取りするもので、区立学
    校全校長に行うものです。
     そのヒアリング時に、請求人は概ね次のように述べました。「平成
    25年7月1日の板橋区立板橋第五中学校の第1回学校運営連絡協
    議会で上田禎PTA会長が、同校は地域に非協力的である、同校の管
    理職が板橋地区青少年健全地区委員会の懇談会に出席していない、新
    しい部活動を学校の都合で作らないなど、公的会合である学校運営連
    絡協議会の席上、学校及び校長を批判する発言を行った。このため、
    上田PTA会長はPTA会長としての適性を欠いており、今後学校運
    営連絡協議会に招集しない。運動会でも挨拶をさせない。このことを
    上田PTA会長に伝える。」
     そもそも学校運営連絡協議会(以下「同協議会」といいます。)は、
    学校運営に関して、地域、保護者などから幅広く意見を求め、地域と
    の連携をより強化した特色ある学校づくりを行うことを目的に設置
    された会議体です。請求人は、同協議会の席上、学校及び校長を批判
    する発言を行ったことを理由に上田PTA会長に運動会での挨拶を
    させない、同協議会には招集しないとしていますが、私は仮に上田P
    TA会長の発言が学校及び校長を批判する内容を含むものであった
    としても、忌憚のない意見を伺うと云う同協議会の設置趣旨から許容
    されるものであり、そのことをもって、同協議会及び学校行事におい
2頁
    て上田PTA会長を出席させないという対応を行うことは決して
    許されるものではないと考えました。なお、運動会において、校長が
    PTA会長に挨拶をさせないとすることは、本来、保護者と学校が協
    力して、子ども達の健やかな成長を図る重要な場である運動会におい
    て、一方の当事者である保護者の代表ともいえるPTA会長の発言の
    機会を一方的に奪うものであり不当です。また、板橋区学校運営連絡
    協議会設置要綱(以下「同要綱」といいます。)(乙2)は、板橋区教
    育委員会(以下「区教委」といいます。)が制定したものですが、同
    協議会の委員は校長が推薦し区教委が委嘱するものであり、上田PT
    A会長も校長の推薦を経て、区教委が委嘱しています。このため、委
    嘱する権限を有しない請求人が、一方的に、かつ独断で、特定の委員
    について同協議会への出席対象者から除外することは、同要綱の解釈
    上からも認められません。ましてや本件においては、区教委が請求人
    に対して、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(以下「地教行
    法」といいます。)第43条第2項に基づいて、職務命令を発して、
    上田PTA会長の同協議会への出席を妨げないように指示をしたに
    もかかわらず、請求人がこれに従わなかったものであり、その不当性
    は明らかです。
     また、板橋区の教育振興計画では、重点施策に「地域人材による学
    校・家庭支援の促進」を掲げ、教育委員会の経営方針においても施策
    の推進方針に「学校や地域、保護者などと協働し教育課題解決に取り
    組む」ことを位置付けています。これを受けて、学校における経営方
    針の柱の1つに保護者等との協働を位置付けるよう年度当初の定例
    校長会等において教育長である私から指示をしており、この点からも
    上田PTA会長を同協議会に出席させない対応は区教委の方針に反
    するものです。
3頁
     このため、区教委として、請求人へ、上田PTA会長を同協議会へ
    出席させないとするような対応を考え直すよう何度も指導をしました
    が、請求人が従わなかったため、区教委から請求人に対して、「運動
    会まで時間があるので、早い時期に上田PTA会長と会って第1回同
    協議会における同会長の発言の真意を確認するように、そして、同会
    長とよく話し合い、共通認識を持って解決を図り、その対応状況につ
    いて報告するように」との指示を出しました。
     また、平成25年7月3日の自己申告時のヒアリングにおいて、請
    求人の上田PTA会長への対応等について指導しましたが、「血を見
    るぞ」との発言や脅すような言動は行った記憶はありません。この場
    ではじめて請求人から第1回同協議会での出来事及び今後の対応に
    ついて報告を受けたところであり、私が興奮して発言することはあり
    ませんでした。
  2 請求人とのやり取りが職務上の上司としての適切な指導であって、
    パワーハラスメントには該当しないことについて
     平成25年11月1日午後4時20分頃、人事考課制度において実
    施することが定められている、異動等に関するヒアリングを請求人に
    対して行いました。これには、私に加え、事務局次長、指導室長が同
    席していました。席上、区教委から、請求人に対して、同年9月28
    日に行われた運動会で上田PTA会長に挨拶させないというような
    ことをしてはならないとの職務命令に従わなかった理由と、運動会で
    の請求人の対応について報告を求めたところ、請求人からは、教育長
    の発した職務命令の内容は、法律に反するものであり違法である旨発
    言がありました。私は改めて請求人に、第2回同協議会において上田
    PTA会長を出席させないというようなことをしてはならない旨説
4頁
    諭したところ、請求人は、同月21日開催予定の第2回同協議会を中
    止すると言うような状況でした。
第3 請求人に対する依命通達や職務命令の発出について
      平成25年7月1日、第1回同協議会において上田PTA会長が発
    言した内容は、同要綱第1条に書かれている目的に合致したものです。
    それにもかかわらず、請求人が上田PTA会長を今後同協議会に出席
    させない、運動会において挨拶させないという対応を取ることは、不
    適切な対応であると私は考え、事務局次長を通じて説得しようとしま
    したが、同年9月20日の時点で、請求人は、私と会って話し合うこ
    とを拒否しました。
     同校の運動会が平成25年9月28日に開催予定であったため、運
    動会前に請求人と上田PTA会長の間の問題を解決したいと考え、請
    求人へ文書で、運動会での上田PTA会長の挨拶の件について話し合
    いたいから、私の所に出向くことを命じるよう事務局次長へ指示しま
    した。請求人に対して、私の名前で職務命令を文書で出すよりも、最
    初に、次長名で依命通達にすることがより穏やかな手法であり、適当
    であると考え、平成25年9月24日付依命通達を請求人に送りまし
    た。次長名の文書ではありますが、教育長の指示による通達であり、
    手続きの点からしても違法性はないものと考えています。しかし、請
    求人はこの依命通達を無視したため、同日27日付けで教育長名の職
    務命令を文書で発した次第です。
     請求人は、上田PTA会長を第2回以降の同協議会に招集しないと
    言っていたことから、同年11月21日に板橋第五中学校において開
    催を予定している第2回同協議会に、請求人が上田PTA会長に出席
    を依頼していないことを確認しました。前述したように、同協議会の
5頁
    委員は、同要綱により、校長が推薦し、区教委が委嘱をすることとな
    っており、合理的な理由なく区教委の委嘱を無視して、校長が独断で
    特定の委員に出席を依頼しないことは不適切な対応です。このため、
    事務局次長に同協議会へ上田PTA会長が出席できるように請求人
    と調整を進めるよう命じていましたが、請求人が従わなかったため、
    同月15日付けで、請求人に対して上田PTA会長に同協議会へ出席
    を依頼するよう文書で職務命令を発しました。しかし、職務命令を発
    した後も、請求人は命令に従わず、上田PTA会長へ同協議会への出
    席依頼は行いませんでした。
     同月21日に第2回同協議会が開催され、区教委が出席依頼した上
    田PTA会長と、立ち会いの区教委職員2名に対し、請求人が住居侵
    入等の容疑で警察へ通報した件について請求人に説明を求めるため
    に、同月22日から27日の間4度に渡り、区教委として私の名前で、
    請求人に対して文書で職務命令を発しました。しかし、いずれの職務
    命令についても請求人は従わなかったのです。
     運動会及び第2回同協議会に係る請求人に対する依命通達並びに
    職務命令は、地教行法43条第2項に規定されている職務上の上司
    である教育長が有する職務権限の行使であり適法であると考えます。
第4 平成25年11月21日、板橋区立第五中学校第2回学校運営連絡
    協議会に係る請求人の対応について
     請求人に対しては、区教委として、地教行法第23条及び43条等
    に基づき、同協議会の運営について指導を行ってきました。指導に従
    わない請求人について区教委の対応を協議し、同協議会が適切に運営
    されるように、第2回同協議会について、区教委として上田PTA会
    長に直接出席を依頼し、また、同協議会の進行を確認するために区教
6頁
    委職員を立ち会いのため派遣しました。この区教委の対応についても、
    私としましては、請求人に対する指導の一環であると考えております。
     しかしながら、請求人は、第2回同協議会の場において、区教委の
    指導に従わない姿勢を露わにし、職務上関わりがあり面識があった上
    田PTA会長と立ち会いの区教委職員2名の計3名について、あたか
    も面識がない者達が、板橋区立第五中学校の図書室にとどまっている
    かのように、住居侵入等の容疑で警察へ不適切な通報を行い、警察官
    24名、警察車両7台が来る事態を招きました。このことは、区教委
    の再三にわたる指導に従わないことも問題ですが、生徒や教職員、保
    護者や地域住民に対し、不安を与え、多大な迷惑をかけた、極めて独
    断に満ちた不適正な対応であり、公務員として断じて許し難い行為で
    あると私は考えます。
第5 板橋区教育委員会教育長が、板橋区立学校長に対して有する権限に
    ついて
     地教行法第23条等によれば、板橋区立学校の設置、管理等は区教
    委が行うこととされており、その管理権限の範囲は、学校施設の管理
    だけでなく、教育課程に関わる事務など広く及ぶこととなっておりま
    す。
     また、同法43条第1項、第2項及び東京都板橋区教育委員会の
    権限の委任に関する規則により、区教委教育長は職務上の上司として、
    当時板橋区立学校の校長であった請求人の服務を監督し、請求人は、
    区教委その他職務上の上司の職務上の命令に忠実に従わなければなら
    ないこととなっています。ここでいう「忠実に従う」というのは、命
    令の内容を十分理解し、命令の内容の実現に誠心誠意、最善を尽くす
    ことですが、今回のことにおいて請求人の姿勢にこのような点が全く
7頁
    見られなかったことは残念です。
     以上のことから、区教委教育長は、請求人に対して学校運営に係る
    広範な内容について、職務上の指導監督を行い、必要に応じて職務命
    令を発することができ、その命令に請求人が従うべきことは法令上当
    然のことであると考えております。
     区教委では、「東京都板橋区立学校の管理運営に関する規則」(甲1)
    に基づき、同協議会を設置しております。また、同規則に基づき、同
    要綱及び「板橋区学校運営連絡協議会実施要領」(甲3)を定めており
    ます。校長が、同協議会の開催に当たり、同協議会委員に対して出席
    を求める際にも、設置者として、区教委は、同協議会の運営について、
    指導監督することができ、また、必要に応じて職務命令を発すること
    ができると考えております。
     請求人は、同要綱において、同協議会委員を全員出席しなければな
    らないと規定されていないことを理由に、上田PTA会長を招集しな
    くて良いと解釈しているようですが、同要綱第4条では、同協議会委
    員は校長が推薦し、区教委が委嘱することとなっていることからも、
    校長が恣意的に特定の委員だけ招集しないことは、同要綱の趣旨に反
    するものです。
     私は、教育長としてその権限に基づき、請求人に対して、同PTA
    会長にも出席依頼するよう職務命令を発しましたが、請求人が命令に
    従わなかったため、自らの権限に基づき、同PTA会長に対して、事
    務局次長を通じて口頭で出席依頼を行いました。
     前述のとおり、私は、上田PTA会長を同協議会に加え、請求人が
    適切な同協議会の運営を行うかを確認するために、区教委から庶務課
    長と教職員係長を立ち会いの職員として派遣しました。このことは、
    請求人が同協議会に関する区教委の指導に従わないという経緯があっ
8頁
    たため、同協議会への職員の派遣については、請求人に対する指導の
    一環であり、地教行法第23条、43条等の趣旨から違法な対応では
    ないと考えます。
     第2回同協議会の当日、請求人は、自己が招集していない者が協議
    会の場にいるとして、上田PTA会長及び区教委職員2名の計3名に
    対してその場から退去するよう命じました。
     このことについては、教育長として、同協議会に上田PTA会長を
    招集しないと言う請求人に対して、再三にわたり上田PTA会長を同
    協議会に出席させるよう指導を行ったり、職務命令を出したりしてき
    ました。しかし、請求人は命令に従わず、上田PTA会長に出席を依
    頼しませんでした。このため、請求人を介さずに、区教委が上田PT
    A会長に対して直接出席を依頼したところ、同協議会の場に現れた上
    田PTA会長及び区教委職員に対して請求人が退去を命じるという結
    果となったものです。
     このような、請求人の極めて不適正な対応に従ういわれはなく、む
    しろ目の前で不適正な対応が行われようとしているのを区教委として
    看過することはできません。
     以上のとおり、教育長として、第2回同協議会において、請求人が
    招集していない上田PTA会長を出席させ、立ち会いの区教委職員を
    同協議会に派遣したことは、地教行法第23条、43条等に基づき、
    請求人に対して、適正な学校運営を行うよう指導を行ってきたことの
    一環であり、それらに対して請求人が発した退去命令は同協議会に至
    る区教委の指導の経緯を無視し、校長としての学校施設の管理権を濫
    用したもので地教行法43条に違反する行為であり、これに応じない
    ことは違法ではないと私は考えます。
    以 上
9頁

(4)乙12.上田禎 陳述書

 板橋第五中学校PTA会長上田禎は、東京都人事委員会、平成25年(不)第25号審査請求事件に、平成27年1月29日付け「陳述書」を提出した。
 上田禎は、平成24年度から板橋第五中学校PTA会長を務めていたので、「陳述書」提出時は同校PTA会長3年目であった。

乙第12号証 上田禎 陳述書
陳 述 書
平成27年1月29日
東京都人事委員会 殿
上 田  禎
 請求人依田郁夫及び処分者東京都教育委員会を当事者とする平成25
年(不)第25号審査請求事件について、下記のとおり、陳述致します。
第1 経緯について
     私は、平成24年3月のPTA総会において承認され、同年4月1
    日、板橋区立板橋第五中学校(以下「同校」といいます。)PTA会
    長に就任し、現在に至ります。
第2 平成25年度同校学校運営連絡協議会委員として在任中における、
    請求人とのやり取りについて
  1 平成25年7月1日に行われた、平成25年度板橋区立第五中学校
    第1回学校運営連絡協議会における発言とその経緯及び趣旨について
     まず、学校運営連絡協議会(以下「学運協」といいます。)とは、
    板橋区教育委員会より委嘱された委員により構成された会であり、外
    部の者が学校の運営について幅広く意見を述べるための会であると
    認識しております。
1頁
     第1回学運協において、校長からの運営方針の説明等が終わった後
    に、委員に対して順番に「何かご意見、ご質問などあればお願いしま
    す」という副校長からの案内で、各委員が順番に感想や意見を述べま
    した。私の順番は最後でした。意見を述べる前に「それではあえて苦
    言を呈させていただきます」と前置きを致しました。
     私は、校長が交代したタイミングでもあり、以前からの同校を取り
    巻く問題を踏まえて意見を述べるチャンスであるとともに、新しい校
    長である請求人に、私のような、学校外部の者から見た同校の状況に
    ついて知っておいて欲しいという趣旨で発言を致しました。
     発言内容は以下の3点です。
  (1) 近年、板橋第五中学校の生徒数が減っており、保護者および地域
      の方々は、同校の生徒数を増やしたいと願っている、ということ。
  (2) 今までの経緯の中で、残念ながら板橋五中は地元の評判が悪いで
      す、例えば、板橋区青少年健全育成板橋地区委員会総会に代理で出
      席した副校長が30分で帰ってしまい、総会終了後、同委員会会長
      の平塚さんも怒っていました、もちろんやむを得ない事情はあって
      のことだと思いますが、今後はもう少し積極的に対応していただき
      たいと思います、というようなことを、今、同校に対して、地域の
      方々がどのように思っているのかを知ってもらう趣旨で発言しま
      した。
  (3) 今年に入ってからというよりはそれ以前からのことですが、様々
      な場面で学校は「生徒本位ではなく、教職員本位で考えているので
      は?」というような声をよく耳にします、例えば、部活動の時間が
      短いのは顧問の先生が遠くに住んでいるからとか、ソフトテニス部
      の生徒への保護者からの差入れが認められなかったりとか、色々な
      声があります、先生方が遠くに住んでいらして大変であることはわ
2頁
      かりますけれども、本音をそのまま正直に言うのではなく、保護者の
      不満が生じないようにもう少し上手に説明していただければと思
      います、というようなことを、言葉の伝え方の問題で保護者の評判
      を落としている部分があるので、誤解されないような工夫をしてい
      ただきたいという趣旨でお話ししました。
      上記(1)ないし(3)はいずれも、同校が地域や保護者からの評判を良く
    するためにどのような点に配慮していただきたいかということを、新
    たに赴任された請求人を含め、学校関係者に対してお伝えしたかった
    ものであり、学運協の設置趣旨にも添うものであると考えております。
     なお、この時、私の話に対して、請求人が私を批判するようなコメ
    ントは一切ありませんでした。
     また、この日、学運協終了後、図書室から校長室に場所を移し、校
    長、副校長、教務主任、生活指導主任、さらには私とPTA副会長2
    名でお茶を飲み、様々な話をしてから帰りました。請求人は、その時
    も先の私の発言に関して憤慨されているような様子は全く無く、注意
    を受けるようなことも一切ありませんでした。
  2 平成25年8月31日に行われた、板橋区立第五中学校における打
    合せの内容について
     請求人は、初めに第1回学運協での私の発言内容の確認をしました。
    私の話した3点を指摘した後に「間違いありませんか」と請求人から
    確認されましたので、再度、私は、発言の趣旨をお話ししました。す
    ると、請求人から、「校長はPTAの会員ですか?」と聞かれました
    ので、私は、「私が担当した学校では、小学校は違いますが、中学校
    の校長は会員となっていて、会費も集めています。」と答えました。
     すると、請求人は、「2番目と3番目の発言は、学校長や教職員を
3頁
    含むPTAの会長が、公の場で学校を批判したものです。これらは職
    員会議などで言うべき発言であり、外部の委員の前で言うべき発言で
    はありません。PTA会長として大変不適切な発言です」と言い、続
    けて、ですから、以後の学運協には上田会長に対してはお声掛けしま
    せん、と言いました。
     私は、批判したわけでないんですけど、と言いましたが、それに対
    して、請求人は「私はそう受け取りました」と言いました。
     請求人の「私はそう受け取りました」という発言は請求人の主観で
    すので、私は、これ以上議論することではないと判断し、それ以上は
    何も言いませんでした。
     その次に、請求人は私に「運動会ではPTA会長の挨拶はあります
    か?」と聞きました。私は「はじめか終わりかは忘れましたが、あり
    ますよ」と答えました。これに対して、請求人は「それでは今度の運
    動会においては挨拶は副会長にしていただきます」と言いました。
     「お声掛けしません」という言葉の意味が学運協に出席するなとい
    う意味かどうかを確認する必要があると思い、最後に、念のために私
    から、確認しますが、運動会の挨拶は副会長がすること、以降の学運
    協には出るな、この2点ですね、そしてその理由としてはPTA会長
    として発言が不適切であるからということですね、と質問したところ、
    請求人は「はい、今のところは」と答えました。ここで、私が「わか
    りました」等の言葉を使ったら、「了解したもの」と受け止められる
    可能性があると考えましたので、「そうですか」とだけ返答をしまし
    た。
     私は、この話し合いの後、PTA主催の家庭教育学級の講師を務め
    ることになっていましたので、それでは家庭教育学級の講師として行
    ってきます、と言って、副会長2名とともに、校長室を後にしました。
4頁
  3 平成25年9月28日に行われた、同校の運動会のPTA挨拶に係る
    一連の経緯について
      また、2日後の9月2日には、私は、板橋区立中学校PTA連合会
    の副会長として、また、板橋区の施設である少年自然の家八ヶ岳荘の
    外部評価委員として、板橋区教育委員会寺西次長らとともに、車で現
    地に向かいました。
      寺西次長からは第1回学運協の数日後(おそらく7月3日)にお電
    話で、第1回学運協で何かありましたか、と聞かれたので、「特に変
    わったことはありませんでした」とお話しするとともに、「あえて苦
    言を呈させていただきます」と前置きをした上で、3点述べたことを
    お話ししておりました。
      そこで、行きの高速道路でパーキングエリアに寄った際に、実は7
    月に連絡をいただいた件ですが、と切り出し、8月31日に請求人が
    私に述べた内容を寺西次長にお話ししました。
      この時、私は、学運協委員が、板橋区教育委員会からの委嘱であっ
    たと認識していたので、8月31日に請求人が私に述べた学運協に出
    席させないことなど2点を伝えるとともに「委嘱状は教育委員会から
    ですから、お返ししないといけないですよね」と伝えました。
      これに対して、寺西次長からは「ちょっと待ってください。委嘱を
    しておりますので、返していただくわけにはいきません。この件はこ
    ちらで対応を考えますからちょっと待っていただけますか」と言われ
    たので、私は、「はい、わかりました」と答えました。
      運動会の挨拶については、9月7日、8日には氷川神社の例大祭が
    あり、副校長と夜間パトロールをしたときに、私は、副校長に対して、
    運動会のPTA挨拶の場において、PTA会長である自分がいるのに、
5頁
    副会長が挨拶をするのは不自然なので、運動会のPTA挨拶をやめ
    てほしいと伝えました。
      数日して、同校より運動会の来賓としての招待状が届きました。そ
    してプログラムを確認すると、平成24年度まで「PTA会長あいさ
    つ」となっていたものが、平成25年度は「PTAあいさつ」と変更
    されていました。
      運動会の挨拶は、一般的には「来賓を代表してPTA会長が挨拶を
    する」というのが慣例です。来賓として招待していながら、プログラ
    ムには「PTAあいさつ」とし、会長がいるにもかかわらず副会長が
    挨拶するのは不自然です。
      もしそのようなことになれば、当日来校している来賓等から「なぜ
    上田会長が挨拶しないのか」と尋ねられ、私が回答を求められる事態
    となることが予想されました。そのようなことで、私は、生徒たちが
    一生懸命練習をしてきた成果を発表する運動会の場において、校長と
    PTA会長がトラブルを起こしているような姿を見せることは避け
    なければならないと考えました。また、校長とPTA会長がもめてい
    るというような評判が立ち、ますます同校への入学を希望する生徒数
    が減少してしまうということだけは何としても避けなければならな
    いと考えました。
      運動会自体を欠席することも考えましたが、私は、PTA会長であ
    ると同時に保護者でもあります。保護者として我が子が運動会で頑張
    る姿を見たいとも思いました。
      そこで、当日、私は所用で遅刻するということにして、形式上は会
    長不在のため、副会長が挨拶するという体裁をとることにしました。
      それから数日後、寺西次長から連絡があり、同次長から私に「上田
    会長と依田校長の双方の話を聴きましたが、誤解があるようですので、
6頁
      一緒に話す機会を設けましょう」という提案をいただきました。
       日程調整をする中で、寺西次長から私に、「依田校長からの依頼で、
      副会長2名にも出席してほしいということなので合わせて日程調整
      をお願いします」と言われました。そこで、私から南雲PTA副会長
      と岡部PTA副会長に連絡を取り、出席してもらうようにお願いしま
      した。9月24日になり、寺西次長から私に連絡があり、請求人から
      の要望で会場が板橋区役所になったことを知らされました。
       9月25日午後、私は、副会長2名と板橋区役所の教育委員会次長
      室を訪ねました。
       ところが、寺西次長の話では、朝から請求人に連絡をしているのが、
      「(話し合いに)出席する意思はありません」と請求人が言っている
      ということでした。
       そして、同日、請求人は自分で会場変更の要望を行ったのにもかか
      わらず、欠席したのです。
      請求人の要望で、副会長2名が仕事の休みを取って、日程調整した
      上で請求人指定の会場である板橋区役所まで赴いたにもかかわらず、
      当の請求人本人は欠席するというのは、社会人としての見識が疑われ
      る非常識さであり、副会長に対しても大変失礼な話であると私は感じ
      ました。
       その日、副会長2名に対して、私は、9月28日の運動会において
      は、私は開会式が行われる時間には遅刻するので、副会長に挨拶をし
      てもらうつもりであることを話しました。
      そして、運動会当日の9月28日、私は開会式から1時間程度経過
      して、家族から開会式が終わったというメールの連絡を受けてから、
      同校の運動会に行き、本部テント横の来賓席に着きました。
   私は、とにかく、校長と私がうまくいっていないと思われてはいけ
7頁
      ないと思い、他の来賓の方々には一切悟られないように、請求人に対
      しても通常通り挨拶し、接しました。
  4 平成25年11月21日に行われた平成25年度同校第2回学運
    協に係る一連の経緯について
      11月に入ってから、同校から郵便が届きました。
      中を開けると、11月20日に開催される学校防災連絡会の出席依
    頼の文書が入っていました。
      翌21日に第2回学運協が開催される予定であることは知っていま
    したので、すぐに南雲PTA副会長に電話をし、学校から郵便が届い
    ているかどうか、そして中身は、学校防災連絡会と、第2回学運協の
    2種類の案内が入っていることを確認しました。
      11月20日の学校防災連絡会には仕事の都合で出られなかったの
    で、同校に電話をし、副校長に仕事で欠席する旨を伝えました。しか
    し、その際、第2回学運協の出席に関することについては何も聞かれ
    なかったので、私からも話すことはありませんでした。
      それから、寺西次長に連絡し、学校からの案内に、他の学運協委員
    には封入されていた第2回学運協の出席依頼が入っていなかった旨を
    伝えました。
      寺西次長は、板橋区教育委員会としては請求人に対してPTA会長
    を第2回学運協に出席させるように指導していますと話されました。
    また、委員として委嘱している以上、私に出席してもらいたいという
    ことも述べられていました。
      11月16日、私は橋本教育長と会う機会があり、教育長から11
    月21日の第2回学運協に出席してほしい旨、直接、要請を受けまし
    た。同時に学校運営連絡協議会が適正に運営されるように何名かの職
8頁
      員を送りますからという話も聞きました。
        11月18日に寺西次長に電話をし、橋本教育長より直接出席要請
      を受けたことを話しました。また、21日の午前中に次長室を訪ねて、
      派遣される職員と打合せをすることになりました。
        11月21日午前、私は同校の学運協委員である板橋第四小学校長
      を訪ね、学運協へ出席する予定であること、もしかしたら何か騒ぎに
      なるかもしれないという心配があることを伝えました。
        それから、板橋区役所に移動し、次長室で寺西次長、小林庶務課長、
      赤塚係長と会いました。そこで、開始15分前には小林課長と赤塚係
      長が先に会場に入ることを決めました。私は、私だけ別室に案内され
      てしまう恐れがあることから、副会長2名とともに5分前に会場に入
      ることにしました。
        それから家に帰り、学運協の開催10分前に副会長と近所のコンビ
      ニエンスストアで待合せをして、5分前に会場である同校図書室に入
      室しました。
        すると、小林課長、赤塚係長のほかは、数人しかおらず、請求人は
      いませんでした。会場の設置状況を見ると、ロの字型にした机には出
      席予定の委員の座席札や書類が置かれていました。
        そしてロの字型の外に並んでいる机の上を見ると、欠席予定の大柄
      委員の席札と書類の横に、私の名前が書かれた席札とレジュメ等の書
      類が置かれていました。そしてそのレジュメに添付されている学運協
      委員の名前の一覧には「上田PTA会長」と書かれていました。これ
      を見て、私は、「案内したけど勝手に欠席したという扱いにしようとし
      ていたのではないか」と思いました。
        そして私はロの字の外に置かれた席札の前に置いてあった椅子に腰
      かけました。
9頁
        時間になっても請求人が現れないため、副校長が校長室に呼びに行
      きました。
        副校長が先に戻り、これに続いて同校学運協委員である酒井北園高
      校校長、山野辺板橋第四小学校校長が入室した後、請求人が部屋に入
      ってきました。
        出席者全員が着席したとき小林課長と赤塚係長は正面の校長席から
      3メートルぐらい右側のロの字型の机の外側に2人で立っていました。
        まず、副校長が以下のように言いました。
        「お待たせしました。第2回の学校運営連絡協議会を始めたいと思
      いますので、まず最初、学校長に挨拶をいただきたいと思います。」
        これに続いて、請求人が以下のようなことを発言しました。
        はい、皆さんこんにちは。これから第2回の学校運営連絡協議会を
      開くところではあるんですけれども、この会場に集まったメンバーで
      第2回学運協を行いたいと思います。今この会場にそのメンバーでな
      い方がおふたり、それから、この会に出席を要請していない方がおひ
      とり、合計3名おりますので、その3名の方に退席していただきたい
      と思います。
        これに対して小林課長が以下のように話し始めました。
        「退席できません。まずですね、私教育委員会の・・・」
        ここまで話した時に、請求人は「ちょ、ちょっと待ってください。
      お待ちください」と言いましたが、小林課長は続けて以下のようなこ
      とを話しました。
        板橋区教育委員会が委嘱した学運協のメンバーである上田会長が呼
      ばれないというこの事態について、教育委員会としては、何度か口頭
      や文書で校長先生に、板橋区教育委員会が委嘱したメンバーを集めて
      もらいたいと指示をしております。板橋区教育委員会が指導をしてき
10頁
      た結果、こうなった経緯を校長先生に御説明いただきたい。私はこの
      学運協が、教育委員会が委嘱したメンバーを募ってきちんと開かれる
      というところを見届けるということで、私の方は参っておりますので、
      退席することはできません。
        小林課長が話している間、請求人は席を立ち図書室の入り口へ移動
      し、ドアを開けていました。また、これを聞いた請求人は「今、最初
      に私が申したように、区の担当の方2名、それから本校のPTAの会
      長さん1名の合計3名は直ちに教室から退出してください。」と言いま
      した。
        これに対して、小林課長は、「できません。教育長の命によって私は
      来ています。」と答えました。
        これを聞いた請求人は、「そうしますと、校長が退去してくださいと
      命令したにも関わらず、そのまま居続けるわけですね。」と言いました。
        上記のように、私を含めた3名が退室することについて、小林課長
      と請求人が何度かやり取りをするのを聞いていました。そのようなや
      り取りの後、請求人は、「著しい支障は全く起きていません。著しい支
      障を作っているのは教育長以下、ここにいる区の2人の方々です。」と
      言い、続けて「早く出なさい!」と大声で怒鳴りました。
        その後も、請求人は、大きな声で何度か小林課長とやり取りをして
      いましたが、請求人は会場である図書室から出て行ってしまいました。
        請求人がいなくなった後、小林課長から、今回の経緯の説明をして
      ほしいと言われたので、残されたメンバーに対して、私から以下のよ
      うなことを話しました。
        第1回の学運協について、酒井校長、植田さんもいらしたと思うん
      ですけれども、その時の私の発言が不適切であるとの指摘を、8月31
      日に呼ばれまして、校長からされました。そして、校長から私が第1
11頁
      回目の会議において不適切な発言をしたことから、第2回以降の会議
      についてはお声掛けしませんとの申し渡しをされました。ただ、僕は
      教育委員会から委嘱状をもらっていたので、教育委員会の次長に『こ
      れ返さないといけませんかね』という相談をさせていただいたところ、
      『いやそれは困ります』ということでした。今日は、教育長から直接、
      出席の要請を受けまして、来ております。何が不適切であったかとい
      うと、これは(校長先生の)主観の問題なので何とも言えないのです
      けども、私が言った2点、ここまでの経緯で地元の評判がよろしくな
      いので是非よろしくお願いしたいと言った件と、それから、生徒本位
      ではなくて教職員本位ではないかという声が聞こえてくることがある
      ので、保護者の感情に配慮をして説明してくださいという2点をお話
      しさせていただきましたが、これが、教職員、校長を含むPTAの会
      長の言動(発言)としてふさわしくなく、明らかな批判であるという
      風に受け取りましたと依田校長は私に言ったんです。私からは、もち
      ろん発言の趣旨については申し上げました。校長先生からはお声掛け
      をいただいておりませんが、教育長からお声掛けをいただいておりま
      すので、会議に出席しました。第2回以降の会議についてお声掛けし
      ないという申し渡しとともに、運動会の時はPTA会長の挨拶はなし、
      挨拶は副会長にしていただきますと校長から申し渡されておりました。
      それで副会長が挨拶をさせていただいたわけです。ただ、私は来賓と
      して呼ばれていますから、そこにいるのに挨拶をしないとなると不思
      議に思われると思いましたので、あえて遅刻をして、副会長が挨拶を
      するという形態をとったということです。前回の発言に関しても確か
      に「苦言を呈します」と前置きをしてから言いました。「苦言」という
      のは相手のためを思って言いたくないことも言葉にするという意味で
      すから、そのつもりで言ったのですが、残念ながらそれは「批判」で
12頁
      あると受け止められてしまいましたので、このような事態になってい
      ます。前回が7月1日で、申し渡されたのが8月31日ですから、こ
      の間、まるまる2か月間、私は(請求人から)口頭での注意もいただ
      いてませんし、書面での注意もいただいていません。このことを問題
      にしても仕方ないので一応それに従っておりました。ですけれども、
      今回は、教育長に直接会って出席に要請を受けておりますので参った
      ということです。先ほど校長先生がおっしゃられていたのは、私は委
      嘱状はいただいていますけれども、校長先生からは呼ばれていないの
      で、部外者というか対象外というお話しがあったんだと思います。大
      変残念ではありますがこれが今のところの経緯です。
        続いて、小林課長より、以下のような発言がありました。
        板橋区教育委員会としては学運協においては、正常な形で教育委員
      会が委嘱したメンバーがきちんと集められることが大事であると考え
      ています。学運協委員に関しては広く委員から声を聴くということが
      第一であり、一部の委員を招集しないという、学運協委員が公平な立
      場で取り扱われないといった状況では、この会を認めるわけにはいか
      ないということで、ご足労いただきましたけれども、これでこの会は
      終了ということでお願いします。
        小林課長からはこのような話があり、請求人を探してくるまで私た
      ちに待機するようにお願いをされていました。
       小林課長が話している間、パトカーのサイレンの音が聞こえてきま
      した。サイレンを聞いた私は、残された委員の方に、請求人が警察を
      呼んだのではないかということを話しました。
        そこに請求人が警察官とともに現れ、「この3名のものが、校長の
      退去命令に従わず、居座っています。退去させてください。」と言い
      ました。
13頁
        警察官は、小林課長、赤塚係長に対し、「何でこちらの方にいるんで
      すか。」と尋ねました。これに対して、赤塚係長が「教育委員会の職員
      です。」と答えました。警察官が、続けて「それで何の目的でこちらに
      いるんですか。」と尋ね、小林課長が答え始めるとすぐに、請求人が「早
      く退去しろ!」と大声で怒鳴りました。
       私は、警察官から「あなたも教育委員会の方ですね。」と言われたの
      で、「いや、2名が教育委員会の方で、私はPTA会長です。」と答え
      ました。
        私や区教委職員2人が警察官から質問を受けている間も、請求人は
      「早く退去しろ!」と怒鳴り、その後、「署に連行して事情を聴いてく
      ださい。」と2回、警察官に向かって言いました。そして請求人は、大
      声で「不法侵入!不法侵入です!」と怒鳴り続け、「校長の命令に従わ
      ず、不法侵入し、不当に居座っています、直ちに退去させてください。」
      と警察官に要請しました。
        警察官は事情を聞くため、請求人と、私と区教委職員2名がそれぞ
      れ別の部屋に分かれるように言い、私と区教委職員2名が部屋を退出
      し、隣の自習室へ移動しました。そこで約20分間、3人は別々の警
      察官に対して事情を説明しました。
        その後、別の警察官が請求人に対する事情聴取を終えたタイミング
      で、私を含めた3人は、警察官とともに校外へと退出しました。その
      足で、私は、小林課長、赤塚係長とともに板橋区役所に行き、寺西次
      長、橋本教育長に起きたことを報告した後、私は東京都立北園高等学
      校に行き、酒井校長にお詫びを伝え、次に板橋第四小学校へ移動し、
      山野辺校長にもお詫びをしてから家に帰りました。
      以 上
14頁



Copyright © 2019 yodaikuo All Rights Reserved.